世界の端の街で、あなたと出会った。 SOLIDS BY THE SEASHORE
2025年1月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開 仏教国タイの南端、イスラム文化が息づく国境近くの街に暮らすシャンティ。結婚を急かされる彼女は、海に惹きつけられたアーティストのフォント... 映画賞
今日の海が何色でも 2025年1月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

異文化とジェンダーの狭間で描かれる、
静かで深い共感の映像詩。

パティパン・ブンタリクはマジックリアリズムに傾倒し、波に浮かぶ人生と、波にぶつかるだけの人生という2つの憧れを反映しようとしている。 —— Film Police Reviews
この賞の最大の意義である「新しいビジョン」を体現した作品を探した。『今日の海が何色でも』を観ながら心が揺さぶられた。
—— 釜山国際映画祭 LG OLED New Currents Award
人間と人間、人間と自然をめぐるさまざまなテーマを、柔軟な姿勢で明確に提示している。人間と自然だけでなく、時間の流れ、伝統と変化、ミクロとマクロを映像で繊細につなぎ、不確かな未来への想像をかきたてる。 —— 釜山国際映画祭 NETPAC Award
演出の繊細さと、ムードや雰囲気を見事にコントロールすることによって、その価値を高めている。 —— Screen International
パティパン・ブンタリクの感覚的な演出は、この映画の大きな成功のひとつである。この映画監督は、雰囲気の切れ目を巧みに利用している。今年最高のアイデアのひとつであることは間違いない。 —— Le Polyester
INTRODUCTION
バンコクの映画学校を卒業した後、私はタイ南部で短編映画やドキュメンタリーの制作に時間を費やしてきました。
南部にいる間、地元の若い作家や芸術家と友達になりました。彼らの多くはイスラム教徒であり、アイデンティティの葛藤に直面していました。保守的な家族には知らせずに、同性との関係を築いている人もいました。タイはリベラルであると見なされているかもしれませんが、現実には、特に農村部では LGBTの権利が抑圧されています。そのような中でも、草の根運動は根強く続いています。

私は自分の人生で集めたさまざまなメモや体験をつなぎ合わせ始めました。映画監督や社会活動家としての背景、偏見との出会い、男性性にまつわる有害な価値観を体験したこと、そして幼少期に祖父母と過ごした記憶などです。私はこれらの物語を、それぞれの闘いを共有した友人たちの物語と織り交ぜました。私の共同制作者で、同じテーマに興味を持つイスラム教徒のKalil Pitsuwanが脚本の共同執筆に協力し、内部の視点を加えてくれました。

私は人類が自然現象と絶えず戦い続けていることについて考えています。それはある意味、腐敗した政府が抗議者に対して行うことや、宗教当局が同性愛者に対して行うことと似ています。彼らは皆、最終的にはさらなる破壊をもたらす不毛な戦いに従事しているように見えるのです。

Patiparn Boontarig
STORY

仏教国タイの南端、イスラム文化が息づくマレーシアとの国境の街、ソンクラー。かつて美しい砂浜があったが、高潮によって侵食され、現在は護岸用の人工の岩に置き換えられている。そこで二人の若い女性が出会う。シャティは保守的な家庭に生まれた地元のイスラム教徒。フォンは活動家からビジュアルアーティストに転身し、美術展のために街に来た。

お互いを深く知れば知るほど惹かれ合う二人。同性関係を禁じる伝統のもとで生きてきたシャティは内なる葛藤の波に飲み込まれていく。恐怖と欲望の板挟みになった彼女は、亡くなった最愛の祖母が語った幼少期の古い教訓の物語を思い出す。
シャティの前に、祖母の物語にある奇妙な異世界の出来事が次第に起こり始め・・・。
シャティは自分自身の道を切り開く決意をし、自分が何者であるかを受け入れていく。

STAFF・CAST
監督:パティパン・ブンタリク(初長編監督作品)
バンコクのタマサート大学で映画と写真を学び、卒業後、監督および脚本家として数多くの短編映画やドキュメンタリーに取り組む。プッティポン・アルンペン監督の『マンタレイ』(2018年ヴェネチア国際映画祭)やジャッカワーン・ニンタムロン監督の『時の解剖学』(2021年東京フィルメックスグランプリ)では助監督を務めた。タレンツ・トーキョー2018修了生。『今日の海が何色でも』は初長編監督作である。

出演:アイラダ・ピツワンラウィパ・スリサングアン
THEATER
2024/12/9時点
東京 ヒューマントラストシネマ渋谷 1/17(金)〜